永遠の絆
「求人雑誌に名前書いてんじゃねぇよ」
雑誌を受け取ろうとした時、諒ちゃんはそう言って、あたしの頭を雑誌でポンポンと叩く。
その雑誌を受け取り雑誌の後ろをあたしは見つめた。
ピンクの蛍光ペンで、でっかく“美咲”と書いてある。
ペラペラ雑誌を捲っている途中で、ふとママが言っていたあたしの名前の由来を思い出し咄嗟に書いてしまった自分の名前。
「…ありがと」
とりあえず諒ちゃんにお礼を言って、諒ちゃんに背を向けて歩き出した時、
「冷てぇ奴」
そう言って鼻で笑う諒ちゃんの声が背後から聞こえた。