永遠の絆
「おい諒也。さすがに女は止めとけ」
さっき、あたしに声を掛けてきた男は、あたしの胸ぐらを掴んでいる諒ちゃんの手を振りほどき諒ちゃんの怒りを静める。
だけど、そんな事で諒ちゃんの怒りも治まる事もなく…、
「お前、調子乗ってんじゃねぇぞ」
そう吐き捨てられたあたしの怒りなども治まる事はなく、また吐き捨てていた。
「調子に乗ってんのはアンタだろうが!!偉そうにしてんじゃねぇよ!!」
「んだと?」
更に眉間にシワが寄った諒ちゃんの手が、あたしに掴み掛かろうとした時、
「はーい。そこで終わり、終わり」
一人の先輩に阻止された。
「これ以上、諒也怒らせたらヤバイよ」
あたしの肩をポンポンと叩いた後、その男は諒ちゃんに目を向ける。
「お前も女相手にムキになるな。美人ちゃんの顔傷付けんのかよ」
そう言われた諒ちゃんは小さく舌打ちをし、そのまま教室から出て行った。
「ごめんね。ゴミは俺が捨てるからね」
今まで口にしなかった、もう一人の男がそう言って、あたしの机に乗っかっているゴミを全部捨ててくれた。