永遠の絆

「何で?」

「何でって無理だから。あたしバイトで忙しいんだよ。だから遊ぶ暇なんてないし、誰とも付き合いたくないから」

「あーあ…。田口、もう振られてやがる」


そう言って、諒ちゃんは馬鹿にしたように鼻で笑ってあたしから目を逸らした。


その日から何日か経った後だった。

相変わらず諒ちゃんの席は休み時間になると2年の先輩で埋もれてて、そんな時、突然諒ちゃんは言ってきた。


「あー…、おい美咲。こいつが田口」


教室に入ってすぐ自分の席に座るあたしに諒ちゃんは笑いながら一人の男に指差した。


その指の方向に目を向けると、田口先輩と呼ばれる人は何も無かったかのようにニコッとあたしに向かって微笑んだ。



第一印象は…、軽そう。


本当にそう思った。



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