永遠の絆
そんなある日…、
誰も居ない教室の中で、一人机に顔を伏せている諒ちゃんが居たから、あたしは声を掛けた。
「ねぇ、諒ちゃん…」
「うん?」
寝ていなかったのか、諒ちゃんは顔を伏せたまますぐに小さく声を出した。
「諒ちゃんさ、葵の事スキでしょ?」
何で、そんな事を聞いたのか分からないけど、あたしはそう諒ちゃんに聞いていた。
もちろん返事なんて返してくれないって思ってたけど、諒ちゃんは「あぁ」って返してくれた。
「言わないの?」
「あいつ男いんだろ?その関係をブチ壊す気はねぇよ」
諒ちゃんは小さな声でそう言った。
その言葉にあたしは耳を疑った。本当に、本当にこの人はあの新田諒也なんだろうか…って思った。
でも、あたしも葵と雅樹との関係を壊そうって思ってなかったし、諒ちゃんに葵と雅樹の関係を壊してほしくなかった。
それは、あたしと諒ちゃんだけの秘密の会話って事になってて、この後からあたしと諒ちゃんの仲は崩れていった…。