永遠の絆
軽く重なり合った瞳から少しだけ逸らし、あたしは遠くを見る。
「もっと、美咲が必要としている人が居るんじゃねぇの?」
「……」
「俺は…、ここまで求人雑誌を美咲の手元に運ばせる奴が凄いと思った。いつも強がって必死になってるお前を少しでも変えた奴がいる事に正直俺は驚いた。俺じゃなくて、そいつに聞けよ」
そう言って諒ちゃんはあたしの膝の上に雑誌をポンと置き、タバコを咥えて立ち上がった。
足を進めて行く諒ちゃんの背後に、「ねぇ…、」とあたしは声を掛ける。
諒ちゃんは足を止め、ゆっくり振り返りながら首を傾げた。
「最後に一つだけ教えて。何で今も話し掛けてくれんの?」
諒ちゃんは一旦、空を仰ぎ、すぐにあたしに目線を戻した。