永遠の絆
どちらかと言うと、あたしはキツい顔って言われる。
それとは違う可愛らしい顔の葵。そんな葵を想っている諒ちゃんの気持ちが凄く分かる。
あたしが男だったら絶対に葵の事を好きになるに違いない。
「ごめん。急に来て」
あたしは門の前まで来た葵にそう言った。
「ううん。入って…」
葵は門の鍵を開け、開かれた中にあたしは足を踏み入れた。
葵の後に続いて家の中に入り、葵の部屋へと向かう。
部屋の中に入ってすぐ、「ちょっと待ってて」と葵はドア越しからそう言って下に降りて行った。
あたしは軽く息を吐き出し、テーブルの前に腰を下ろす。
静まり返った部屋に居ると何だか無性に胸騒ぎがしてきた。
葵はあたしに“何?”とか“どうしたの?”とかも聞いてはこなかった。
それは、多分あたしが来るだろうと言う予測をしていたんだと思う。
暫く経ってから葵が入ってきて、テーブルの上にアイスティーを置いた。
「ありがと…」
「ううん」
そう小さく呟いた葵は、あたしの前に腰を下ろした。