永遠の絆
「これ、お金…」
小さく呟くあたしに葵は封筒からあたしへと目線を切り替える。
「何で?」
「この前は叩いてごめん。あたしは葵と友達辞めるつもりはないよ。だから、少しでも役にたちたい」
こんな事でしか役にたてないけど…
「このお金――…、」
「心配しないで。あたしのお金じゃないから。ちょっと借りたんだ」
葵の言葉を遮って、あたしは言葉を続けると「借りた?」と、ちょっと戸惑うような葵の声が返ってきた。
「うん…」
「ねぇ、もしかして…、彩吹 楓って人?」
一瞬、そう言われて誰だか分からなかった。だけど、すぐに翔だと思った時、つかさず葵に目を向けた。
何で分かったの?
って、思った時。何も言わないあたしに葵は可愛く笑みを漏らした。