永遠の絆
たとえ雅樹に断ったとしても、あたしは葵が雅樹に会ってちゃんと伝えたって事だけでも凄いと思った。
あれだけ必死になって“言わないで”って、あたしに言ってた葵が雅樹に会ったって事が凄いと思った。
それにこのお金はあたしが借りたから葵は何もする必要はない。
「いいよ。あたしが借りたんだし、あたしが返すから」
「あたしが返すよ」
表情を崩しながらあたしを見つめる葵にうっすらと微笑んだ。
「心配しなくていいよ。あたしバイトするから」
「えっ、バイト?」
葵は驚いたのか声を少し上げて言ってきた。
「うん。だから葵は気にしなくていいから。今、探してるんだ」
「じゃあ、あたしもバイトする」
「葵はしなくていいよ。少しの間はゆっくり休みなよ」
そう言って、あたしは葵にうっすら微笑んでアイスティーを喉に流し込んだ。