永遠の絆
“産みたくても産めない場合だってある”
そう言ってた葵。
自分が出した結果であっても辛いのは辛い事。
例え、誰かが葵の出した答えに批判しても、あたしは葵の見方でいたい。
暫く泣き続けた葵の頭をずっと撫で、少し落ち着いた頃、葵はあたしの身体を引き離した。
「…葵?」
あたしは小さく声を掛け、葵の顔を覗き込むと葵の目は真っ赤になっていた。
葵は目から溢れ出た涙を拭いコクンと頷く。
「大丈夫…」
全然、大丈夫じゃない事くらい分かってるのに葵はそう言った。
その後、会計を済ませて外に出てすぐ、葵は白い封筒を差し出してきた。
「これ…、残りのお金。やっぱし、あたしバイトして返す」
葵の手元にある封筒から、あたしは葵に目線を切り替えた。
「葵は気にしないで。あたしが貸してもらったんだし、それに返す為って思ってる方がバイトに専念できるし」
そう言って、あたしは葵の手に握られている封筒を受け取り、お互い何も言わずに葵の家に向かった。