永遠の絆
葵の家の昼間は誰も居ないって分かっているのに、何故か胸がソワソワした。
葵の部屋に入り、葵をベッドに寝かせ、あたしは床に座り込んだ。
ベッドに背を付けて後ろを見ると、葵はボーっとして天井を眺めている。
その疲れきっている顔を見てすぐ、あたしは目線を前に戻し、膝を抱えた。
静かな部屋に時計の秒針だけが微かに聞こえる。
「ねぇ、美咲…」
暫くしてから不意に聞こえた小さな声であたしは俯いていた顔を上げ後ろを振り向いた。
「何?」
葵はあたしを見る事なく天井を見つめ続ける。
「もしかして美咲、留学の夢諦めてないよね?」
小さな声で呟いた葵から目を逸らし、あたしは自分の足元を見つめる。
「何で?」
「なんとなく…」
「何それ…」
軽く息を吐き捨てた後、あたしはそのまま言葉を続けた。