永遠の絆
「諦めてないよ。何回か、もう諦めようって思ってたけど、でもやっぱり行きたいって気持ちの方が大きい。もしかして葵、自分の所為とか思ってる?自分の所為で、あたしの返す余計なお金が増えて留学資金、貯まらないとか思ってる?そう思ってんなら今すぐ忘れてね。葵の所為でも何でもないから」
「ごめんね…」
「葵は悪くないよ」
「ごめん…」
「ねぇ、葵?」
「うん?」
「あのさ、諒ちゃんの事どー思う?」
その話から話題を変えたくて、違う話にしたものの、あたしの口から出た言葉は諒ちゃんだった。
ってか、その話しか思い浮かばなかった…。
こんな時にこんな話をもちだすのはどーかと思うけど、
「えっ…、り、諒也先輩?」
案の定、“急に何?”って感じの声で葵は言ってきた。
そう思うのは当たり前だ。諒ちゃんの名前すら2年振りに出すのに…
「あー…いや、何でもない」
「えっ、何?」
「うん。本当に何でもないから」
そう言って振り向くと、キョトンとした顔で葵はあたしを見つめてた。