永遠の絆

「俺、中卒だけど、なんとなく英語だけは勉強してた。話せたらカッコいいじゃん。…だけど面倒くさくなって止めた」

「何それ…」


苦笑いする翔に、あたしはそう言って笑うと翔は微笑んだ表情から真剣な顔つきに戻した。


「みぃちゃんさ、何かやりたい事とかあんの?」


不意に言ってきた、その翔の言葉に、あたしは思わず翔から目線を逸らした。


さっき英文を読んできたのは、あたしの何かを聞こうとする為だったのかも知れない。


翔が知ってるあたしはホテル街で金を稼ぐ女。

それ以上は何も言ってない。


暫く黙りこくるあたしに、「どっか行きたい所ある?」と翔はあたしの顔を覗き込んできた。


不意に重なり合った視線に思わず胸が高鳴って、咄嗟に翔から目線を逸らした。


「どこでもいいよ」


そう言われて「海…」と小さく呟いてた。


翔が初めてあたしを連れて行ってくれたあの海に行きたかった。

波の音が聞きたい。
潮の香り…
心地いい風…


全て、身に染みたかった。




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