永遠の絆

「分かった」


つっ立っているあたしの腕を掴み、翔は美術館を出て行く。


広い駐車場には1回だけ乗った事のある黒光りの車が停まっていた。

翔が開けてくれた助手席へとあたしは乗り込み、翔も運転席に乗り込んですぐ車を発進させる。


前と変わらずシトラスの香がしてて、やっぱしあたしはこの匂いが好きだし落ち着く。


1時間くらい走って目的の海に着き、着いてすぐにあたしは車から降りて目の前にある手すりに掴まって海を眺めた。


この前は夜で人も誰一人居なかったし暗くて辺りさえも分からなかった。

今居る昼間の海は、ちらほらと人が居て、広い広い海が果てしなく見える。


地平線だって見える。


夜とは違った風の心地よさ。波の音と混じって聞こえてくる小さな子供の笑い声。




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