永遠の絆
「おい、何処まで行く気?」
背後からの翔の声にゆっくり振り向くと、翔は呆れた様に笑いながらあたしに近づいて来る。
「もー少し!!」
そう叫んだあたしは足を進め、止まった場所は砂浜と海の境目だった。
手に持っているヒールを少し遠くに投げ捨てる。
「濡れんぞ」
翔がそう言った瞬間、ザバっと波が押し寄せてきて、あたしの足はベタベタに濡れ砂がいっぱいついてしまった。
自分の足元を見るあたしに「だから言っただろ」と、翔の呆れきった声が飛んでくる。
「言うの遅いよ」
「普通分かんだろ」
翔はため息混じりに言って笑い、少し離れた所からあたしを見つめる。
その翔の瞳からあたしは目線を逸らし、少しヒヤッとする水に足を入れた。
「気持ちー」
そう声を上げ、あたしは大空を見上げる。
太陽に輝いている海はキラキラしてて、その海に落ち着きを感じる。
それは、翔が居るかもなのか知んないけど、いつもより気持ちが楽だった。