永遠の絆

「おい、何処まで行く気?」


背後からの翔の声にゆっくり振り向くと、翔は呆れた様に笑いながらあたしに近づいて来る。


「もー少し!!」


そう叫んだあたしは足を進め、止まった場所は砂浜と海の境目だった。

手に持っているヒールを少し遠くに投げ捨てる。


「濡れんぞ」


翔がそう言った瞬間、ザバっと波が押し寄せてきて、あたしの足はベタベタに濡れ砂がいっぱいついてしまった。

自分の足元を見るあたしに「だから言っただろ」と、翔の呆れきった声が飛んでくる。


「言うの遅いよ」

「普通分かんだろ」


翔はため息混じりに言って笑い、少し離れた所からあたしを見つめる。

その翔の瞳からあたしは目線を逸らし、少しヒヤッとする水に足を入れた。


「気持ちー」


そう声を上げ、あたしは大空を見上げる。

太陽に輝いている海はキラキラしてて、その海に落ち着きを感じる。

それは、翔が居るかもなのか知んないけど、いつもより気持ちが楽だった。




< 218 / 595 >

この作品をシェア

pagetop