永遠の絆
「みぃちゃんの所為だって思ってねぇって事…」
「思ってないって…、ママが?」
「あぁ」
「そんな事ない…ママは思ってるよ。だから必死になってんの!だからあたしも頑張ってんの!!」
ちょっと張り上げた声に翔は少し眉を下げたまま深く息を吐き捨てた。
吐き捨てた後、一旦、空を仰いですぐ視線をあたしに戻す。
「親は子供の所為って思わねぇよ。子供は親の所為って思えるけど親は子供を責めたりしない。」
“俺がそうだったから…”
まるで付け加える様にして翔は小さく呟き、そのまま言葉を続けた。
「俺の母親は、俺が何しようと俺の所為だとか俺を責めたりはしなかった」
「……」
「必死で毎日働いて稼いだ金を俺が取っても毎日喧嘩に明け暮れても、何も言わなかった」
「……」
「俺の事、諦めてたのかも知んねぇ…。だからさ、みぃちゃんのお母さんもみぃちゃんの所為って思ってねぇよ。そんな事、思ってたらそんなに働けねぇよ」
「でも…、でも翔は言ったじゃん!!」
声を張り上げるあたしに翔は「何を?」と首を傾げる。