永遠の絆
「冷たっ、」
突然、身体に水がかかり頬に伝う冷たい雫を手の甲で拭いながら顔を上げると、目の前に翔が立っていて目が合った瞬間、翔はフッと笑った。
翔は靴を脱いでジーンズの裾を捲りあげ、あたしと同じ様に水に足を入れていた。
呆然と見つめるあたしに翔は構わず手で水を救い上げ、あたしに向かってかける。
「ちょ、何すんのよ!!」
「ボーっとすんなよ」
そう言って翔はクスクス笑い足で水をバシャバシャする。
そんな子供チックみたいな事をする翔に、何だか可笑しくなって、ついあたしは笑ってしまった。
「何、笑ってんだよ」
「別に…」
「あ?」
翔は少し眉を寄せたまま今度は足で水を飛ばしてきた。
「もー、止めてよ!!」
つい、あたしも声を上げて、足で翔に向かって水を飛ばした。
勢い良くかかった水は翔の全身を濡らす。
「うわっ、冷てぇ…」
「あたしだって冷たいよ」
クスクスお互いの笑い声が響き合う。
そんな…、こんな些細な事があたしには楽しいし嬉しかった。