永遠の絆

シンクの上にも流しにも食器が置かれていて、そのほとんどがインスタントラーメンのカップだった。

この光景からして翔の忙しさが凄く伝わってくる。


食器を全て洗い、カップ麺のゴミを捨てたと同時にバタンとドアが閉まる音が響いた。

シャワーを浴び終えた翔は上半身裸のまま首にタオルを掛け、髪の毛から垂れ落ちる雫を拭きながらカウンターキッチンまで来た。


「もしかして、洗った?」

「えっ、洗っちゃダメだったの?」

「ううん、ありがと。つーか、すげぇ汚い部屋でごめん」


翔は苦笑いしながらカウンターキッチンから出てソファーへと向かう。

その後を着いて行くと翔は散らばっている服を掻き集め寝室へと持って入った。


翔が入ってすぐ、あたしは鞄の中から封筒を取り出しソファーに腰を下ろす。


「みぃちゃん…」


そう言って出てきた翔に目を向けた瞬間、思わずあたしの視線が下に落ちてた。



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