永遠の絆

翔はまた今日も行く…。


上半身は裸のままだけど白のスーツのパンツを穿いている。


これから行くんだ…。


これからいっぱい女に会うんだ…

寄り添うんだ…


そう思った瞬間、何故か涙が込み上げてきそうだった。

だけど、これは仕方ない事。仕事だもん…


「みぃちゃん?」


俯くあたしの前に翔はしゃがみ込み、あたしの頭にポンと手を置き顔を覗き込む。


「どうした?」


そう言われてすぐあたしは笑みを作り勢い良く首を振るとともに顔を上げた。


「何か飲む?」

「あ…、うん」


翔はうっすら微笑んだ後、立ち上がりカウンターキッチンへと足を進めて行く。

その翔の背中を見ているとあたしの目が釘付けになっていた。

所々に出来ている無数の傷。

黒ずんでいる無数の傷。


なんだろ…、あの傷…。


翔がカウンターキッチンへと行き、冷蔵庫の開ける音が聞こえてすぐ、あたしは立ち上がり手に持っている封筒とともに翔の所へと足を進めた。



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