永遠の絆
「何?」
差し出した封筒に目を落とす翔に「お金…」と声を漏らす。
翔は「あー…、」って語尾を伸ばしながらその封筒から目を逸らし、換気扇を見上げてタバコの煙を吸い込み吐き出した。
「遅くなったんだけどさ、これ凄い前のお金と後あたしのバイト代。って言っても今回は1万しか入れられなかった。ごめんね…」
そう言うと翔はタバコを咥えたまま少し眉を寄せた。
「つーかさ…、」
そこまで言って、翔はタバコを口から離し煙を吐き出すとともに言葉を続けた。
「考えたんだけど、やっぱいらねぇわ」
ほらね。
やっぱそう言うと思った。だからあたしは電話せずに来たんだよ…。
「何で?」
「やっぱ俺はみぃちゃんから受け取る事は出来ねぇ」
「受け取るって…。あたし借りたんだよ?借りたお金を返すだけじゃん」
「俺は貸すって言ってねぇよ。やるって言った」
翔は短くなったタバコを咥えて吐き出した後、灰皿にタバコを磨り潰した。