永遠の絆

「何?」


差し出した封筒に目を落とす翔に「お金…」と声を漏らす。

翔は「あー…、」って語尾を伸ばしながらその封筒から目を逸らし、換気扇を見上げてタバコの煙を吸い込み吐き出した。


「遅くなったんだけどさ、これ凄い前のお金と後あたしのバイト代。って言っても今回は1万しか入れられなかった。ごめんね…」


そう言うと翔はタバコを咥えたまま少し眉を寄せた。


「つーかさ…、」


そこまで言って、翔はタバコを口から離し煙を吐き出すとともに言葉を続けた。


「考えたんだけど、やっぱいらねぇわ」


ほらね。

やっぱそう言うと思った。だからあたしは電話せずに来たんだよ…。


「何で?」

「やっぱ俺はみぃちゃんから受け取る事は出来ねぇ」

「受け取るって…。あたし借りたんだよ?借りたお金を返すだけじゃん」

「俺は貸すって言ってねぇよ。やるって言った」


翔は短くなったタバコを咥えて吐き出した後、灰皿にタバコを磨り潰した。




< 243 / 595 >

この作品をシェア

pagetop