永遠の絆

「どっか悪いの?」

「ん?どっかって?」

「ほら…、さっき飲んだのって薬でしょ?」

「あー…、うん」


翔は軽く頷き、あたしから目を逸らしてタバコに火を点ける。


「大丈夫?」


戸惑いながら声を掛けると翔はフッと鼻で笑った。


「全然平気。ちょっと胃が荒れてるだけ」

「胃?」


少し困惑した声を出し、あたしは首を傾げる。


「そう、胃。飲み過ぎってやつ。ほら…、毎日大量に飲んでっから胃にきてんだわ」


そう言って翔は苦笑いしながらタバコを咥え、煙を吸い込んだ。

その曖昧な表情で何となく分かった。

翔はきっと何かを隠している。


あたしの言葉を紛らわそうとタバコを吸っているとしか思えない。

あたしが領収書を見たのは1ヶ月も前。

なのにまだ未だに飲み続けてるって事は、また病院に行ってるって事で…、


胃が荒れてるだけでこんな長い間、薬って飲むのかな?




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