永遠の絆
「本当に?」
「あぁ」
翔はまだ吸えるタバコを灰皿に揉み消し、脱衣所へと向かった。
暫く経って出て来た翔は髪を整えていてソファーへと足を運ばせる。
未だにカウンターキッチンに立ち尽くしていたあたしは、そこから見える翔をボンヤリと見ていた。翔は黒シャツを羽織りタバコとライターをズボンのポケットに突っ込む。
「みぃちゃん?」
不意に呼ばれた名前にハッとし、あたしは翔の所へと足を進ませた。
「何?」
「はい」
スッと伸びてきた翔の手には鍵があって、
「あ、…え?」
あたしは戸惑った声を出す。
「みぃちゃん用。受け取って」
「あっ、でも…」
「でも何?」
「あた…、あたしが来た時に誰かが居たらどーすんの?」
「誰かって誰?」
追い詰めてくる翔に、あたしは躊躇いながら口を開く。
「お、女とか…」
そう言うと翔はフッと鼻で笑い、あたしの手に鍵を握らせた。
「心配ご無用。女で俺のマンション知ってんのは、みぃちゃんしかいねぇから」
そう言われた瞬間、思わずあたしは目を見開いていた。