永遠の絆
「どした?」
ボーっと翔に見惚れるあたしに不思議そうにして首を傾げ、あたしは素早く首を振る。
「…んだよ。もしかして俺に惚れてんの?」
翔は意地悪っぽくクスクス笑いながら歩いて行く。
「そんなわけ…」
翔の背中に向かって声を掛け、途中で口を詰むんだ。
そんなわけ…、あるよ。なんて事は言えなかった。
心に潜めた想いはどうしても言えなかった。
「すっげぇ人…」
「…だね」
中に入ると平日なのに、本当に凄い人だった。
この建物自体、凄く大きいし、こんな所、翔が調べたんだ…とか思ったら思わず可笑しくなった。
「みぃちゃん、何一人で笑ってんだよ」
チラッと翔を見上げると、翔は口角を上げ、あたしを見下ろしていた。
「笑ってないし」
「笑ってんだろ」
「笑ってない!!」
そう言って、あたしは翔の背中をバシッと叩いた。