永遠の絆

「痛ってぇなぁ。この暴力女」

「ありがとう」

「うわっ、可愛くねぇ…」


翔はクスクス笑い、あたしの手をそっと握り人混みを掻き分けるように足を進めて行く。

その握られた手から翔の体温が伝わってくる。あたしはその握られた手に応えるように、あたしは翔の手を握り締めた。


あたしが握り締めた所為か、翔はあたしを少し見下ろし優しく微笑んだ。


そんな顔を見ると、この手を離したくない。

…そう思う自分がいた。



「ねぇ、水族館来た事ある?」

「ねぇよ。今日が初めて」

「だよね。翔が来てる所の想像なんてつかないし気持ち悪いよね」

「気持ち悪いは余計だろうが」


ちょっと不機嫌そうに返された声に思わずあたしは笑い、そんなあたしを見て翔もフッと笑った。



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