永遠の絆
一匹のペンギンが水の中に入り、突然勢い良く泳ぎだした。
あたしって…、翔から見るとこんな風に見えてんの?
普段あたしってボーっとしてんの?
急に突っ走ってんの?
まぁ、でもそう言われて思い当たる所はいっぱいある。
その後、翔に手を引かれたまま館内をグルグルと回った。
「でけっ、」
翔がそう呟いて足を止めた所は凄い巨体のジンベイザメだった。
「なんか翔みたい…」
ボソッと呟くあたしに「あんなデカくねぇよ」と低い声が返ってくる。
「だったら、あたしもペンギンみたいに小さくないよ」
「ペンギンは可愛いだろ。あんな巨大化のサメと俺を一緒にすんなよ」
「え、何?もしかして可愛いって言われたいの?」
クスクス笑うあたしに翔は一瞬だけ眉を寄せた。
「そんな事言われたら、それこそ気持ち悪いだろうが」
「…だよね」
「納得すんな」
笑って居られるこんなささやかな日々がいつまでも続いていればいいと思った。
一緒に居たい。
そんな沸き上がってくる気持ちと、あたしの夢がぶつかり合って、どうしようもない現状に追われる。