永遠の絆
「はいよ」
暫くすると翔は袋に入ったペンギンをあたしに差し出し、それを受け取った。
「ありがと。大事にする」
「ペンギンごときに大事にされてもな」
翔はうっすら笑い、あたしの頭をクシャっと撫でる。
髪が乱れ、顔にかかった髪を指先で払い、あたしは袋の中を覗き込んだ。
その中には一匹じゃなくて二匹のペンギンがぶつかり合っている。
「えっ…、」
小さく声を漏らし、袋から少しだけペンギンの頭を覗かせて見ると、男の子と女の子のペンギンが入っていた。
「何で二匹なの?」
「俺とみぃちゃん…。なんつってね。ただレジの横にあったからそれにしただけ」
口角を上げた翔の顔を見てから、あたしは二匹のペンギンに視線を落とした。
“俺とみぃちゃん…”
本当に嘘で言ってんだと思うけど、あたしはそう思いたかった。
そんな事、思うこと自体馬鹿なのかもしんないけど…
「ありがと…」
そう言ってペンギンを袋の中に入れて笑みを漏らすあたしに、翔は鼻でフッと意地悪っぽく笑った。