永遠の絆

「なぁ…、」

「うん?」


首を傾げたまま翔を見上げると、翔は呆れた顔をしてあたしを見下ろした。


「何でペンギンなんか持ってんだよ」


そう言ってくる口調も本当に呆れた声だった。

あたしの手には、ちゃっかり女の子のペンギンが握られていて、


「気付いたら持ってた」


そう返すあたしに「何だそれ…」と言って、翔はまた馬鹿っぽく笑った。

その笑いにあたしもうっすら笑って返した。


帰り途中、ずっとペンギンを握り締めていて、気付けばそのままあたしは車から持ち出していた。

大事にしたい。これだけはホントに大事にしたいって、そう心から思った。




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