永遠の絆
「「キャャー!!」」
突然何処からか弾ける様な悲鳴が聞こえ、あたしの肩がビクッと上がる。
「えっ、何?」
ビックリしてキョロキョロするあたしに、「どうせ喧嘩だろ」と翔は平然な口調で言った。
「え、誰が?」
「そんな事、俺が知るかよ」
そう言った瞬間、翔は小さく舌打ちをし、言葉を続けた。
「みぃちゃんごめん。俺、財布車ん中に置きっぱだわ…。ここで待ってて」
「えっ?財布?」
「あぁ、取ってくっから。すぐに戻って来る」
「え、財布なんて別にいいじゃん。あたし持ってるし…、何かあったらあたしが出すよ」
「いや…、そう言うわけにはいかねぇよ」
“こっから動くなよ”
そう付け加えて、翔は駆け足でさっき来た道を走ってった。
つか、別にいいのに…。
まぁ、車を降りてからそんなに歩いてないしすぐに来るだろう…
そう思って持っていたペンギンで遊んでいたら周りの悲鳴が大きくなるにつれて、それに混じって聞こえてきた言葉に耳を疑った。