永遠の絆
「―――…諒也先輩!!」
あたしの耳に入ってすぐ、思わずあたしは顔を上げ、人集りのほうに視線を向けた。
い、今…、確かに諒也先輩って…。
「やめて、やめて!!」
女の叫び声は泣き叫ぶような声で…
その声にあたしの身体が一瞬ゾクッとした。バクバクとする訳の分からない心臓の動きに冷や汗が伝う。
「…葵?」
あたしが間違えるはずがない。確かにあの声は葵の声だった。
そう思ってると、あたしの足は勝手に人集りの方へと必死で走ってた。
円形になっている人集りにあたしは入って行く。
「ちょっと、すみません」
人を掻き分けて中心に来ると、その真ん中だけが開かれていて、円形になっている端の方で足から血を滲ませた葵がしゃがみ込んでいた。
何がどうなってんの?
中心に目を向けると、そこには諒ちゃんが居て。その横には見覚えのある顔。
マサキだ…。
そして知らない2人の男。
既にマサキは顔から血がでてて、蹲ってて…、諒ちゃんは知らない男に殴りかかろうとしている。
その光景を見てハッとし、あたしはしゃがみ込んでいる葵の所へと駆け寄った。
「――…葵!!」