永遠の絆
「邪魔してんじゃねぇよ!!」
相手の苛立ちの声の後、
「馬鹿!何やってんだ」
と、諒ちゃんの声が頭上から落ちてきた。
目が合った瞬間、諒ちゃんの口元からは血が出てて、
「何やってんだは、こっちの台詞だよ!!諒ちゃんこそ何してんだよ!!」
あたしは掴んでいる諒ちゃんの腕に力を入れた。
「どけ、美咲。お前まで巻き添いくらうぞ」
諒ちゃんはあたしの腕を振り払って、背中を軽く押す。
その時に気付いた。
あたしの大事な大事なものが…
ない…、ペンギンが…ない。
キョロキョロして焦るあたしに、「早く行け!」と諒ちゃんの声が飛ぶ。
「…ない。…ない…、ないよ」
焦って半泣きになるあたしに、「何がねぇーんだよ」と諒ちゃんは怒りの混じった声で返す。
「…ペンギン…」
「あ?」
「ペンギンだよ。ペンギン…」
「ペンギン?訳わかんねぇ事言ってねぇで早く行け」
諒ちゃんは不機嫌そうに苛立ちの声を出し、あたしは諒ちゃんから離れてウロウロし、辺りを見渡した。