永遠の絆
それと同時に、カラン…、と翔が掴んでいた鉄パイプが音をたてて地面に落ち、翔は諒ちゃんの腕を掴んだ。
「やめろ、諒也」
翔が低い声でそう言った途端、あたしは思わず翔と諒ちゃんを互いに見てしまった。
今…、翔は“諒也”って言った。
絶対言った。
翔は諒ちゃんの手を離すと、遠くに視線を向けて顎で指す。
諒ちゃんが振り返ってすぐ、あたしも振り向くと地面に座り込んで、膝から流れ落ちている血を葵は手で押さえてた。
「美咲、ごめん」
何であたしに謝ったのか分かんない諒ちゃんは、すぐに葵の所へと走ってった。
何が何だか分かんない、この状況からあたしは唖然としてしまう。
諒ちゃんと葵は何?
諒ちゃんと翔はどう言う関係?
あたし一人だけ呆然と立ち尽くしていると、「おい、」と翔の低い声でハッとした。
「な、何?」