永遠の絆
「何じゃねぇよ。突然居なくなったらビックリすんだろ」
視線を上げると、翔はため息混じりに言って、あたしの額を軽く手で押した。
「ご、ごめん…」
小さく呟き目線を外すと、さっきまで諒ちゃんと争ってた男達はすっかり居なくなってて、人集りもさっきよりも減っていた。
「あっ!!」
突然、大きな声を出すあたしに翔はキョトンとあたしを見つめる。
「どした?」
「葵、病院に連れて行かないと…」
そう言って振り向くと葵は諒ちゃんに抱えられていた。
「別にいいんじゃね?」
「でも…、」
「俺らが行っても邪魔だろ」
翔はあたしの腕を掴んで足を進めて行く。
腕を引かれながら後ろを見つめるあたしに、「見すぎ」と翔はクイッとあたしの頭に手を置き、顔を前に向けた。
あたしだけ理解が出来てないみたいで、「ねぇ!!」と声を上げて見上げると、翔はあたしを見下ろす。
「諒ちゃんの事、知ってんの?」