永遠の絆

過去の出来事に気を取られ、ふと我に返った時、テーブルの上にある黒い箱に視線が移った。

あたしはベッドから滑り落ちるようにして下り、その長方形の箱に手を伸ばす。


真っ黒な箱の蓋を開けると、何枚かの札と2つの通帳。

青色で縁取られた通帳は全て私生活に関するお金。


そして、赤色の通帳はあたしの大切な通帳だ。

通帳をペラペラ捲って5ページ目の所で手は止まった。


上から順番に目線を下ろしていき真ん中で止まると、くっきり文字が印字されている。



「…320万」


小さい頃から今まで貯めていたお金。

身を削ってでもいい。それくらいあたしはやりたい事がある。


そして5万はママの通帳に入れている。



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