永遠の絆

「まさか…ね…、」


小さく呟くあたしに「え、違うの?」と葵は少し声を上げた。


「うん。でも…、好きだよ」

「うん、知ってる。美咲見てたら分かるもん。言わないの?」


あたしはうっすら笑って頷いた。


「…何で?」

「言っちゃいけない気がする」

Γ……」

Γあたし…。あたし留学の夢、諦めてない。行きたいの」

Γ……」

Γでも、でもね。この気持ちを翔に打ち明けたら、もっともっと気持ちが出て来て離れたくなくなる」

Γ……」

Γ翔と留学、どっちとる?って言われたら正直、今のあたしは答えられない…」

Γ……」

Γそんな…簡単な事じゃない」


あたしが言った事に葵は何も言わなかった。

暫く経っても葵は下を向いたままストローをクルクル回してるだけだった。



本当に自分でもビックリするくらい…

自分じゃないくらい、あたしは翔にのめり込んでいる。


自分の気持ちを伝えるのが怖いんじゃなくて、ただ今のあたしはどうしたらいいのか分かんないだけだった。


だから…

今は、この関係だけでいいと思った。



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