永遠の絆
「諒ちゃん…、新学期始まってから来てないじゃん。何かあった?ってか何してたの?」
そう問い掛けるあたしに「あー…、別に」と諒ちゃんは曖昧に返す。
諒ちゃんと話をし始めてから、あちらこちらから諒ちゃんの話をしている女の声を何度か耳にしてきた。
学校に来ていないものの、色んな所から聞こえてくる声で葵からも「来てないみたい」って何回か聞いた。
葵に“何で”って聞くと、“寝てる”って言われたって言ってた。
そんな曖昧な答えようが、あたしは違うって思った。
ただの喧嘩か…
それはあたしには分からないけど違うって思った。
だからあたしは“なんかあった?”を“何してたの?”に切り替えた。
「諒ちゃん、また留年するんじゃない?」
「いや…、それは大丈夫。留年したら俺、辞めるし」
「そう。簡単な答えだね」
「まぁな」
「ところで葵とはどうなってんの?」
言った瞬間、諒ちゃんは眉間に軽くシワを寄せた。
タバコの煙を深く吸い込んで吐き出した瞬間、「…かも」と小さく呟く諒ちゃんの声が聞こえた。