永遠の絆
初めてママに手渡した時、ママは目を見開いて言葉を失っていた。
“どうしたの?そのお金”
“危ない事してんじゃないの?”
“ヤバイ事してんじゃないの?”
まぁ、当たり前にママからしたらヤバイだろう。
自分の娘がママより年上の男に身体売ってんだから…。
でも、そうでもしないとママを少しでも楽にしてあげられない。
そして…
“お金は大丈夫だから”
なんて言葉は聞きたくない。
だからあたしは、それくらいお金が必要。
ママには友達が水商売してて安全な場所だからって伝えてある。そんな嘘な言い訳でもママは安堵の笑みを見せたけど、でも実際はママの心の中なんて分かんない。
鞄に入っているクシャクシャになった札を取り出して思わずため息が漏れた。
「あいつだ…」
2枚しかない札に思わず今日会った男の顔が浮かんできた。
…―――翔だ。
馬鹿みたいに意地はって叩きつけてくんじゃなかった。
ホント、最悪。
その2枚の札をあたしは無造作に箱の中に入れ、蓋を閉じた。