永遠の絆
翔がシャワーを浴びている間、あたしはソファーに座り制服のポケットから鍵を取り出した。
翔に貰った鍵…
1ヶ月振りに初めて使った鍵。
「合鍵か…」
ポツンと呟いた自分の声が新鮮に耳に伝わる。
“だったら合鍵の意味なくね?”
やっぱ、これって合鍵なんだ。
人差し指と親指で挟み、目の前でクルクル左右に手首を動かしてみる。
暫くボーっとしているとドアの開く音がして、手に持っていた鍵をスカートの中に突っ込んだ。
音がした方に目を向けると、ジャージの下だけ履いた翔が髪を拭きながらキッチンへと向かう。
「みぃちゃんって制服似合うよな」
冷蔵庫のパタンって閉まる音がした後、カウンターキッチンから翔は顔を覗かせた。
「みんな似合うでしょ…」
「いや…、似合わねぇ奴もいるよ。久し振りのみぃちゃんの制服姿に欲情しそう」
クスクス笑う翔に「バカッ!!」って笑って返すと、翔は声を出して、また笑ってきた。
でも、そんなあたしの笑みも一瞬で消えた…