永遠の絆

翔がシャワーを浴びている間、あたしはソファーに座り制服のポケットから鍵を取り出した。


翔に貰った鍵…

1ヶ月振りに初めて使った鍵。


「合鍵か…」


ポツンと呟いた自分の声が新鮮に耳に伝わる。


“だったら合鍵の意味なくね?”


やっぱ、これって合鍵なんだ。


人差し指と親指で挟み、目の前でクルクル左右に手首を動かしてみる。

暫くボーっとしているとドアの開く音がして、手に持っていた鍵をスカートの中に突っ込んだ。


音がした方に目を向けると、ジャージの下だけ履いた翔が髪を拭きながらキッチンへと向かう。


「みぃちゃんって制服似合うよな」


冷蔵庫のパタンって閉まる音がした後、カウンターキッチンから翔は顔を覗かせた。


「みんな似合うでしょ…」

「いや…、似合わねぇ奴もいるよ。久し振りのみぃちゃんの制服姿に欲情しそう」


クスクス笑う翔に「バカッ!!」って笑って返すと、翔は声を出して、また笑ってきた。


でも、そんなあたしの笑みも一瞬で消えた…




< 296 / 595 >

この作品をシェア

pagetop