永遠の絆
少し驚いた表情をし、あたしに声を掛ける。
「……いで」
「ん?」
「行かないで…」
あたしの口から擦れた小さな声が出ていた。
ずっとずっと前から言いたかった言葉。
あたしの手にギュッと力が入る…
「え…、みぃちゃん?」
困惑した翔の声がスッと耳に溶け込んでくる。
「もう…、もう辞めなよ。自分の身体の事、心配しなよ」
心は痛くて身体は震えてるのに声だけは震えてなくて淡々とした口調で走ってた。
翔は深く息を吐き捨てた後、「諒也か…」と呟き、あたしの手を離すと同時に手に持っていたスーツを下に落とした。
「お願い…。行かないで」
ちゃんと言ったつもりなのにあたしの唇は微かに震えている。
だんだん俯いていくあたしの頭をゆっくり撫でた後、翔はあたしの顎に手を添えてゆっくり顔を上げる。
翔に顎を捕まれたまま見上げると、翔は自分の顔を少し下げ、あたしの震えた唇に自分の唇を重ね合わした。