永遠の絆
葵は「んー…」って目線を自分の手元に集中させ、考えこんでいる。
「あたしの事って何?あたし諒ちゃんに何もしてないし」
「うん、知ってる。そう言うんじゃなくて…」
そこまで言って葵は口を閉じる。
「じゃあ何?」
よく分からない葵の言葉にあたしは葵を見つめた。
足が疲れたのか葵は足を擦りながら立ち上がり、その所為であたしの視線は上へとあがる。
「なんかさ…」
「うん」
「美咲のアドレス教えてって言われた」
「は?あたしの?」
軽く自分の顔に指差したあたしに、コクンと葵は頷く。
「でも美咲そー言うの嫌がるでしょ?だから教えてないんだけど…」
「……」
「なんか諒也先輩いつもと様子が違うんだよね…」
「……」
「アド教えるのを断ったから怒ってるんじゃなくて、なーんかおかしいの」
「……」
「何?って聞いても“別に…”だし、あたしから言っとくよって言っても“いや…、いい”って言うしさ」