永遠の絆

教室の前まで来ると、あたしの足はピタっと止まる。

ドアに背を付けて俯いて立っている諒ちゃんの姿。


ジっと見つめていると諒ちゃんはあたしに気づき顔を上げてあたしをジっと見てきた。

その表情からして何となく分かった。


あまり良くない表情…

話かけない方がよさそうって言う表情。


だからあたしは諒ちゃんから目を逸らし止めていた足を進ませた。

でも、


「待てよ」


諒ちゃんの前まで来ると、諒ちゃんは低い声を出し、あたしの足はその声で必然的に止まる。


「何?」

「お前、この1週間何してた」

「何って葵から聞いてないの?ママの看病だよ」

「じゃあ、土曜日…何してた」


低い声でそう言ってきた諒ちゃんの声に一瞬背筋がゾっとした。








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