永遠の絆

教室には誰も居なくて廊下からも人の声なんか聞こえない。

シンと静まり返った二人だけの空間…


その誰も居ない廊下で今から諒ちゃんに言われる言葉に息を飲み込む。


「別に…ママの看病」


平然を保ってそう答えたあたしは教室の中に入り自分の机の上に置いてある鞄を手に取る。

鞄を肩に掛け後ろを振り返ると諒ちゃんは教室の中に入っていて、ドアに背を付けてあたしをジッと身構える


「翔さんから電話があった」

「……」

「お前がでねぇって…1週間前の月曜日も」

「……」

「何か約束してたんじゃねぇのかよ。電話ぐらい出れるだろうが…出れなくても掛け直せよ」


ちょっとあたしを睨むようにしてて諒ちゃんはあたしから目線を一度も逸らさなく淡々とした口調で言う。


「急ぐから…」


何も話したくないあたしは素っ気なくそう言って足を進め教室を出る。

だけどあたしの腕は諒ちゃんにしっかりと掴まれた。



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