永遠の絆
「翔さん…心配してた。電話ぐらいしろよ」
諒ちゃんの沈んだ声を聞いてすぐ、あたしは一旦止めていた足を動かし階段を駆け下りた。
息がいつもより乱れる。
ちゃんと呼吸してんのに苦しい。
諒ちゃんの言ってる事くらい分かってるよ…
でも…
でも、もう電話になんて出れないし掛けれない。
「金…稼がなきゃ…」
出て来る言葉はそれしかなくて、あたしはバイト先に向かった。
バイト中、全然はかどれなかった。って言うかやる気さえ出なかった。
こんなに頑張っても頑張っても必死で動いても、お金が増えるわけじゃない。
もう一つ掛け持ちしても、それほど求めている金額など入らない。
それに…ママがいつ退院するのかも分かんない。
最低でも一ヶ月って言ってたし、ちょくちょく病院に行ってたけどママの調子はそんなに良くない。
身体が回復したって、まだまだ働いてほしくないし無理すると、また入院って事もありかねる…
あたしが…あたしがママを困らせている。