永遠の絆

初めてジュンのツレのユウキと出会った時、何の薬か知んないけど、「いる?」って微笑んで渡された。

でも、そこまで馬鹿じゃいあたしは、断ったけど…


「で、何?」


冷たく言い放つあたしに、ジュンはフッと馬鹿にしたように笑う。

その笑い方が一番、嫌いだ。


「何って…、美咲とヤろうと思って」

「は?」

「ヤらせろよ。どうせ、他の男の前で股開けてんだろ?だったら俺にしとけよ」


そう、真顔で言ってくるジュンの隣でユウキは声を出して笑う。

ホント、うんざりする…。


「おい、こんな所で欲情すんなよ」

「でもよ、美咲を逃がすの勿体なくね?俺、美咲の事好きだし…」

「まぁな、顔はすげぇ美人だよな」

「だろ」



そんな二人の馬鹿みたいな会話を無視して、あたしは二人に背を向けた。


「待てよ」


向けた途端、咄嗟に掴まれた腕の所為で、進めようとしていた足は必然的に止まる。

ジュンに掴まれた腕に、だんだん力が入っていく。

眉間にシワを寄せたまま、ゆっくりと振り変えると、ジュンは手の甲をあたしの頬に近付け、ゆっくりと滑らせた。


その撫でられた感触で背筋がゾッとし、張り詰めたように硬直した。




< 338 / 595 >

この作品をシェア

pagetop