永遠の絆

「うざいって言ってんの。しつけーんだよ!!他いけよ!!」


声を上げて、ジュンの手を振り払い後ろを振り向いた時、


「あっそ。じゃあ、お前の言った通り他行ってやるよ。でも、後でどうこう言ったって知らねぇからな」


“お前の大切な何かが犠牲になっても”


付け加えるようにして言われた言葉に、一瞬何か分かんない身震いがした。


「どう言う事?」


呟きながら恐る恐る振り返ると、ジュンは口角を上げてゆっくり口を開いた。


「何て言ったっけ?お前の大事な友達の名前…」


そう薄ら笑いながら言った瞬間、あたしの目が一瞬だけど泳いだのが自分にでも分かった。

ジュンが名前を言わなくったって分かる。


“お前の大事な友達”


そう言われて分からない訳がない。大事と言えばたった一人しかいない…


葵だ…。



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