永遠の絆
「ま、とりあえず帰るぞ」
「いい」
「あ?」
「いいって言ってんの!!」
「お、お前、来てほしいから迎え呼んだんだろうが」
「だから諒ちゃんになんか頼んでない!!」
「お前、いい加減にしろよ」
小さく舌打ちをした諒ちゃんはもう一度、掴んでいたあたしの腕を強く握り、そのまま足を進めて車へと向かう。
その所為で仕方なく進んで行く自分の足が途轍もなく嫌だった。
「乗れよ」
「……」
助手席のドアを開け諒ちゃんはあたしの背中を軽く押す。でも、あたしの身体は動かず、ただただ俯いて地面を見つめるだけだった。
「言っとくけど、葵に頼まれたんじゃねぇぞ。俺自身、自分から行くっつった。だから葵を攻めんなよ」
「……」
「お前が何しようと俺には関係ねぇ。でも、周りの事ももっと考えろ。お前の事、心配してっ奴が山ほどいるってのを忘れんな」
「……」
「馬鹿みてぇに自分を壊すような事だけはすんな」
「…何それ。諒ちゃんだって人の事、言えないじゃん。さんざん馬鹿みたいな事してきてさ、なのに何それ!あたしに言う筋合いないじゃん」
「だから言ってんだろうが」
「は?意味分かんない」
「意味分かんなくてもいーけどよ、早く乗れって」
諒ちゃんは、またまた面倒くさそうにため息を吐き捨て、あたしを車に押し込んだ。
ってか、面倒くさそうにするなら来ないでほしいよ…。あたしまでため息がでそうになる。