永遠の絆
「帰る」
「どうやって?」
「何とかなるよ」
そう言って足を進めた瞬間、また途轍もなく胸が苦しくなった。
離れると言ったあたしの行動に寂しさを感じる。でも、こうするしかないんだ。
あたしには翔と居る資格なんてどこにもない…
無意識に手を目に当てると不意に出ていた微かな涙に気づき、あたしは思わずそれをなくすかのように素早く拭いとる。
小さくため息を吐き捨て、玄関にある靴につま先を滑り込ませた時、
「待てって」
翔の声と同時に、強く右腕を引っ張られた。
その所為であたしは体制を崩し、あたしの足元の前には翔の足が目に入る。向かえ合わせになってる事を避けようと、あたしは翔に背を向けた。
今の顔…見られたくない…
そう思ったのも束の間だった。
「…みぃちゃん?」
あたしの肩に翔は手を軽く乗せ、あたしの顔を覗き込むようにして見つめる。
その翔の顔から避けようとした時、
「泣いてんのか?」
寂しそうな、ちょっと混乱した翔の声が耳に届いた。