永遠の絆

「…んな、訳ないじゃん」


少しの沈黙後、深く息を吐き捨てあたしはそう小さく呟いた。

泣くもんか。泣いたって何にもなんない。だけど、あたしの涙腺は言う事をきいてくれない。

何気なくに潤んでくる瞳がムカついた。


ホント正直だ。涙って…


翔に見られたくない瞳を手の平で隠し俯く。深呼吸しても何も変わんない。余計に涙が溢れそう…


深く息を吐き捨てると同時に、頭の上に違和感を感じた。だけどその違和感が何なのか分かったのもほんの一瞬だった。

あたしの頭の上に翔は手を置き、軽く何度も撫ぜる。


馬鹿。そんな事しないでよ。余計に涙が溢れるじゃん…


「ごめん。みぃちゃん…」

「意味分かんない。何で謝んの?」

「俺の所為」

「マジ意味分かんないっての」

「みぃちゃんの事、俺が苦しめてるから」

「だから違うって!!」


そう少し声を上げて否定し、あたしは俯いていた顔を咄嗟に上げた。

見上げる先の翔は哀しそうな顔であたしを見下ろし、手を下に下ろす。


「…会わねぇとか言うなよ」


そうポツンと呟かれた小さな声に、また胸が苦しくなった。




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