永遠の絆

学校に着くと丁度休み時間だったみたいで、廊下には生徒達がザワザワと話し込んでいた。

2階から3階に進む階段をゆっくり一段一段上がって行く途中、上から下りてくる諒ちゃんを目にした。


諒ちゃんはあたしに気づいたのにも係わらず、何も見てないかのように目線を避けあたしの横を駆け足で通り過ぎる。

そりゃあ、そうだ。あんな事があってからまだ数日しか経っていないんだから。


それに受け応えるかの様に、あたしも何も言わずに通り過ぎたんだけど、


「諒ちゃん!!」


気づけばあたしは諒ちゃんの名前を口にしていた。


「あ?何?」


振り返ると諒ちゃんは進めていた足を止め、あたしを見上げる。


「どっか行くの?」

「あー…ちょっとダチが来てっから行くだけ」

「そう言えば校門の前に車停まってたっけ…」


独り言の様に呟くあたし。

来る時に見た目だけでも分かるイカツイ車が停まっていた。

あー…あれって諒ちゃんのツレか。ま、何となく分かる気もするけど…








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