永遠の絆

「待たせてんでしょ?だったらいいよ別に。行きなよ」


電話を切った諒ちゃんに、あたしはそう言う。


「いや、これの方が先。つーか場所かえんぞ」


そう言った諒ちゃんは足を進め、その後をあたしは仕方なく着いて行く。

あまり乗る気はしない。諒ちゃん見れば分かる。何となくいい話ではないって事を。

場所を変えるくらいだから、いい話なんかじゃない。と、言うよりも長引きそうだ。


諒ちゃんが足を止めた場所は、2階の渡り廊下。ま、ここからじゃ人目にもつかないから大丈夫だろうけど…


「とりあず受け取れ」


足を止めてすぐ諒ちゃんは口を開く。


「だから何で?理由言ってよ」

「留学資金」

「は?」


そう言われて頭ん中が理解しきれなかった。

意味分かんない…


「お前のお袋が貯めてた留学資金」

「何で諒ちゃんが持ってくんの?」

「どーせお前受け取らねぇだろ。しかも話も聞かずに帰んだろうが。だから俺が代わりに」


そう言われると正論だ。だけど、あたしはママでも諒ちゃんでも受け取らない。

それに…何であたしの為にお金なんか貯めてんのよ。


もう、訳分かんない…



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