永遠の絆
「いらない」
「あ?」
「だからいらないってば!」
「つーか俺が持ってても仕方ねぇんだけど」
「じゃあ、ママに返しといて」
「自分で返せよ」
「嫌」
「はぁ!?」
「あたしが受け取ったんじゃないし。つか、もうそう言う話しすんのとか面倒くさいし」
そう素っ気なく返して、この場を離れようとした瞬間、
「面倒くさいとか言うなよ。大事な事なんじゃねぇのかよ。お前の為に頑張って貯めてんだぞ」
あたしが最も苛立つような言葉を諒ちゃんは口にした。
「だからそう言うのが面倒なんだよ。あたしの為にあたしの為にって、そう言うのがウンザリすんだよ!!」
「は?…んだよ」
諒ちゃんは眉間にシワを寄せて、少し苛立った声で呟く。
「だってそうじゃん。あたしが居るから皆、迷惑してる。美咲、美咲ってあたしの為あたしの為って、皆あたしを可哀そうな目で見る。あたしが皆を苦しませてる」
「…んな事ねぇよ」
「そんな事あるよ。だからだよ…ママが身体壊してるのだってあたしの所為。あたしが苦しませてんだよ!!別に貯めてなんて言ってない」
「それは親心ってもんだろ」
「そんなのいらない!倒れるまでそんな事してほしくない!!」
「お前、まだ分かんねぇのかよ」
諒ちゃんは、小さく舌打ちをし深く息を吐き捨てた。