永遠の絆
「…分かった」
数秒経ってそう答えたのもちゃんと理解して分かって出したあたしの答えだった。
ジュンの言ってる意味が分からない訳でもない。
今の状況の交換条件ってのは、何かを犠牲にしなくちゃいけない。
その何かはあたしにある。
自業自得だから仕方ない。あたしが撒いた種はちゃんと片付けなければいけない。
葵を見捨てる訳にはいけない。
「分かったって何が?」
「葵とあたしを交換して。それで文句ないでしょ?」
「ま、文句はねぇけど」
フッと鼻で笑ったジュンは不愉快な笑みを漏らす。
「だから葵を…葵をここから出して」
そう言うとジュンは奥にある部屋を指差し、視線を送る。その方向にあたしも視線を送らせると行き場を塞いでいたジュンの両手がスッと離れた。
身動き出来る様になったあたしはその場から足を進める。気味の悪い薄暗い部屋の扉まで来ると、あたしは深い深呼吸をした。
「葵!!」
声を勢いよく発して開けた部屋はそういい部屋だとは思えなかった。息が詰まりそうになるくらいの臭い。
タバコの煙と何か良く分かんないけど気分を悪くしそうな臭いに思わず顔を顰めた。
もう、
どうでもいいと思う自分を
誰かに…
壊してほしかった…。